□殺人者はそこにいる 逃げ切れない狂気、非常の13事件
(「新潮45」編集部編 浅宮 拓ら 計7名著 2002(文庫))
タイトルの通り、巷の話題に上った猟奇殺人事件や迷宮殺人事件など13件の殺人事件を7名のライターがまとめた、まことに怖い事件簿。
(1)西宮「森安九段」刺殺事件(平成5年)
(2)井の頭公園「バラバラ」殺人事件(平成6年)
(3)京都「主婦首なし」殺人事件(平成7年)
(4)柴又「上智大生」殺人放火事件(平成8年)
(5)熊本「お礼参り」連続殺人事件(昭和60年)
(6)名古屋「臨月妊婦」殺人事件(昭和63年)
(7)埼玉「富士銀行員」顧客殺人事件(平成10年)
(8)札幌「両親」強盗殺人事件(平成3年)
(9)葛飾「社長一家」無理心中事件(平成6年)
(10)つくば「エリート医師」母子殺人事件(平成6年)
(11)札幌「社交令息」誘拐殺害事件(平成13年)
(12)世田谷「青学大生」殺人事件(平成6年)
(13)広島「タクシー運転手」連続四人殺人事件(平成8年)
どれも恐ろしくまた未解決事件になると後味の悪さがさらに増すにもかかわらず、結局全部読んでしまった。初版は平成14年(2002年)だが、僕の読んだのは令和3年(2021年)の27刷であった。実に19年に渡るロングセラーである。
印象深かったのは、小説「OUT(桐野夏生 1997)」のもとになったとも言われる井の頭公園バラバラ事件で、これはやはり現場を歩いたことがあるからである。銀行員が切羽詰まって顧客を殺す事件も、銀行と付き合ったことがあるのでぞっとした。
この殺人事件簿の令和版が編まれるとしたら、間違いなく取り上げられるのは、主犯と看做される容疑者が未だ精神鑑定中の、すすきの首切事件であろう。
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