□パプリカ(筒井康隆 1993)
この前観たアニメ映画が面白かったので原作も読んでみた。
小説は、映像命のアニメと違い言葉でたっぷりと説明できるので、夢探偵の理屈もそれらしく説明されている。作者の精神医学の蘊蓄と疑似科学を適度にブレンドしたほら話の醍醐味がたっぷり味わえるSFであった。ただ、作中人物がフロイトを時代遅れと批判していたのはやや意外であった。
小説を読んで分かったのは、アニメが原作を結構忠実に再現していたこと、無論、2時間弱の映像作品として収めるための、筋やキャラクターの整理や誇張はあったが、概ねは同じであった。しかし、悪役は、はるかに原作の方が、文字通り悪魔的で魅力的であった。尤も、映画化したのは、既に多様性尊重の21世紀、あのキャラをあのままアニメ化して世に出すのは無理であったろうな。
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