ニセモノ図鑑
2022-01-18


□ニセモノ図鑑(西谷 大編著 2016)

 佐倉にある「歴博(国立歴史民俗博物館)」の教授が、2015年に同博物館で開いた「大ニセモノ博覧会-贋造と模倣の文化史」の内容を中心にまとめた本。
 といっても、単なるカタログではなく、次の5章に分けて「贋造と模倣の文化史」を考察する絶好の入門書となっている。( )内は僕の要約。
 1.ニセモノとおもてなし (座敷を飾る書画等を解説)
 2.なぜ偽文書は作られたのか? (武田信玄と徳川家康が一番人気)
 3.パクリかパロディか (コピー商品だった瀬戸産の天目茶碗等)
 4.ニセモノを創造する (海外にも輸出された人魚のミイラ)
 5.ニセモノから学ぶ (銅鐸の復元等)
 このうち、なんといっても白眉は、表紙にもなった、人魚のミイラである。歴博では、展示に適した実物(江戸時代に作られた人魚)が借用できなかったため、口伝の製造法を知る業者に依頼して、サルの上半身と鮭の下半身を合体させた人魚のミイラを制作したのである。
 一種の、迫力モノではある。


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