津軽
2020-12-15


□津軽(太宰 治 1944)

 太宰 治は津軽の人である。その津軽の人が帰省した際に、知り合いや文学ファンなどを訪ねてお酒を飲み歩いた紀行記というかエッセイ集のようなもの。
 戦争中なので配給の酒を飲んだりしているが、それ以外は津軽の風土と文学談義と自身の話であり、戦争の影響はほとんど感じられないのは、あの時代の作品としては、ある意味、奇跡である。よほど非政治的な人間だったのであろう。身体検査で肺疾患が発見されて、徴兵免除となっている。
 子供時代の回想も入っており、非常にナルシストであったことがわかる。パタリロみたいだ。津軽居酒屋旅の参考になるかと思って読んだが、そういう本ではなかった。
 なお、太宰の作品は、代表作の「人間失格」や「走れメロス」も含めて、ほとんど「太宰ミュージアム/太宰Web文庫」で無料で読める。


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