□ピカソになりきった男(ギィ・リブ 2016)
美術専門家に、「もしピカソが生きていたら、彼を雇ったことだろう」と言わせしめた贋作者の自伝。ピカソ、シャガールなどになりきって描いた贋作は、権威ある専門家のお墨付きを得て、今も流通しているらしい。
フランスの田舎の売春斡旋人の息子として生まれ、ギャングと共に育った絵の上手い子供が贋作者として成功するさまは、まるで悪漢小説のようだ。
結局は、やりすぎ(粗製乱造)がたたってお縄になったのだが、その後も、映画にルノワールの手の役で出演するなど、なかなか楽しそうな人生だ。
贋作の腕を磨けば磨くほど、画家としての自分の絵はやせ細るのが切なく、また、フジタの贋作を漢字サインのミスで日本女子に見破られるエピソードがおかしい。
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